雑賀光夫の徒然草

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「日本経済の時限爆弾」を読む

「季論」春号「日本経済の時限爆弾」(小西一雄)を読む


(1)昨年、和歌山大学名誉教授・森川博先生の「卒寿記念文集」に寄稿を求められた文章を私は次の言葉で締めくくった。

ところで、いま、アベノミクス(黒田金融政策)についての本質的な批判が求められていると思います。その批判は、「アベノミクスで庶民の暮らしはよくならない」という批判(それも必要ですが)ばかりではなくて、「アベノミクスは、日本経済と庶民の暮らしを地獄に突き落とす」という批判です。いまでも地獄という苦労している方もいらっしゃるが、全国民が地獄になる経済破綻に行き着くと思うのです。

同時に、「地獄に突き落とされる前に安倍内閣をやめさせよう」という運動が必要です。

 かつては、「恐慌のあとに革命がくる」という「恐慌待望論」がありましたが、それではだめだということになりました。私たちも「黒田金融政策破たんの必然性」を見抜きながら「待望論」になってはいけないと思います。

 「介護大改悪」などを見ると、地獄への道は、がけから落ちるような破たんの前に、坂道をずり落ちるような道なのかも知れません。

 森川経済学による分析をお聞きしたいところです。(2017年1月) 

(2)きょう、「季論」という雑誌の目次をくって表題の短い論考をみつけた。昨年、私が期待したまさにそのものである。小西一雄さんという方は、1948年生まれの立教大学名誉教授。新日本出版社などからは本を出されていないが、以前、雑誌「経済」にかかれた論文が、ものすごくわかりやすかったという印象を私は持っている。 

 目次から紹介しよう

はじめに 黒田日銀総裁の5年間

1 中央銀行信用の限界についての過去の教訓と未知の経験

2 日銀のバランスシートが傷んでいる

 日銀保有国債利回りの低下

 日銀の債務超過への転落の可能性

 バランスシートが悪化した中央銀行信用はどのような形で失墜するか

3 印刷機で富を生み出すことはできない

    …インフレーションの問題

4 おわりに…異次元金融緩和政策の後遺症

(3) 終わりの方で次のように書かれている。

 「アベノミクスには、さまざまな害悪がある。だがわけてもアベノミクスの最大の害悪は、本稿が見たように、異次元金融緩和政策によって財政金融政策の崩壊の可能性、金融資本市場の崩壊の可能性という時限爆弾を日本経済にビルトインしてしまったということである。一刻も早くこの時限爆弾を取り外して、アベノミクス全体を終わらせることが必要があるが、この政策転換の過程もまた日本経済にとって厳しい試練にならざるをえないであろう。…安倍政権と黒田日銀がはじめてしまった歴史的愚行の取り返しのつかない後遺症に、我が国は今後悩まされることになる。」

この論文の最後には(2018年2月 黒田日銀総裁続投のニュースを聞きながら)と書かれている。私の問題意識と全く同じだとうれしくなる。だが、「うれしい」と言っていられない恐ろしい真実だ。

ただ、金融政策の専門家だけあって、私の知らないこともいっぱいあって、たった12ページの論文だが、何回も読み返さなくてはと、拡大コピーして寝床に持ち込んでいる。

               2018年4月  雑賀 光夫


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by saikamituo | 2018-04-26 22:49